人が死ぬということは、本人よりも残された人の心の傷の方が大きい。
何故なら、本人は死んでしまえば、もう思い出すことも悩むこともできない。
残った人はそうはいかない。
愛すれば愛するほど、その人はもうここには居ないんだと 納得しなければ、
その死から立ち直れない。自分の死を愛した人に納得させてやるのは、
死んでいく人がやらねばならない気遣いである。
その時にこの箱は、その小道具として力を発揮する。
死ぬ恐怖というのは、自分が存在しなくなる恐怖より、残した人がどんなに
悲しむかを想うからかも知れない。
私の場合、両親は逝ったから一番悲しむ人のことは もう想わなくてよい。
その分随分と楽だ。
両親の愛は無償の愛だったなぁ。私が愛さなくても愛してくれた。
家族はどうなんだろう。
そして友人は。

この箱が手元にあって、
誰かに当ててメッセージをと言われると、
愛の根源まで考えてしまう。
「遺箱」はそんな箱になるのかなぁ。
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